一般社団法人日本印刷産業機械工業会は4月11日、今年6月1日~6月12日(12日間配信)に「Japan Color認証セミナー2022オンライン」を 「基礎から学ぶカラーマネジメント~印刷物観察環境の作り方(色評価用LED照明の選び方・使い方)~」のテーマで、昨年度に引き続きオンライン配信で開催すると発表した。
日本のオフセット印刷の標準色であるJapan Colorに基づいて認証する、Japan Color認証制度の認知・普及を目的に、印刷物にかかわる企業の方を対象に、今年度もオンラインセミナーを開催する。昨年度に引き続き、新型コロナウイルス対策やより多くの人が参加できるようにオンライン配信のセミナーとした。
印刷物の色の見え方は、照明や周囲の壁の状態などによって大きく変化する。そこで、照明を中心とした色評価用環境の規格が、日本印刷学会やISO(国際標準化機構)によって規定された。一方、色評価用の照明は、蛍光灯からLEDへと変わってきており、多くのメーカーから色評価用LED照明が販売。日本印刷学会ではこの動向に対応すべく、「色評価用LED照明を用いた印刷物観察条件のガイドライン」を2021年に策定した。
このセミナーでは、第1部に大日本印刷株式会社 技術開発センター主席研究員 杉山 徹 氏を講師として招き、色の見え方に関する基礎的な理論とこのガイドラインの概要、および実際に観察環境を構築する際のポイントについて、分かりやすく解説する。第2部は、Japan Color認証制度事務局よりJapan Color認証制度について、概要とメリットの解説、および認証取得支援サービス実施企業の紹介。
■Japan Color認証制度とは
Japan Color:https://japancolor.jp/
・標準印刷認証
標準印刷認証は、印刷工場における印刷機械のメンテナンスと数値管理等によって、安定した品質の印刷物を作成できる工程管理能力について認証。 審査にあたっては、申請工場が印刷物を認証基準に適合させる能力と、5,000枚の連続印刷において安定した品質の印刷物を作成できる能力等を有しているかどうかを判定する。
現在の取得状況:2022年3月末現在の認証取得 198工場
・マッチング認証
マッチング認証は、標準印刷認証を取得していることを前提に、高度なカラーマネジメント技術を駆使して、印刷物の色を認証基準値の許容幅に入れることができる能力等について認証。このため、難易度は標準印刷認証と比べてかなり高いものとなる。
現在の取得状況:2022年3月末現在の認証取得 46工場
・プルーフ機器認証
プルーフ機器認証は、プルーフ機器(見本出力機器)が印刷用途に使用できる信頼性の高いプルーフ(見本出力物)を安定的に出力できる機能があるかを認証。審査にあたっては、プルーフ機器・RIP(出力のためのソフトウエア)・プルーフ用紙の3つの組合せで判定する。
現在の取得状況:2022年3月末現在の認証取得 132件
・プルーフ運用認証
プルーフ運用認証は、デザイン会社や印刷会社が、個々のプルーフ機器(見本出力機器)のメンテナンスや適正な運用を行うことにより、信頼性の高いプルーフ(見本出力物)を安定的に出力できる能力等を認証。原則として、プルーフ機器認証を取得した機器を使用して運用認証を申請する。
現在の取得状況:2022年3月末現在の認証取得 53件
・デジタル印刷認証
デジタル印刷認証は、デジタル印刷機のメンテナンスと数値管理等によって高品質の印刷物を安定的に作成できる運用能力を認証する。申請工場が印刷物を認証基準に適合させる能力と、500枚の連続印刷において安定した品質の印刷物を作成できる能力等を有しているかどうかを判定。また印刷前工程のワークフローについても審査対象(プリフライトチェック審査)となる。
現在の取得状況:2022年3月末現在の認証取得 25件
■Japan Color認証制度取得のメリット
企業イメージの向上: ISO準拠の認証を取得することにより、印刷物およびプルーフを作成するうえでの高い能力をアピールできる。
スキルアップ: 標準化を全社的に進めることにより、社員のスキルアップができる。
コストダウン: 標準的な印刷条件を基準に印刷することにより、損紙およびインキ使用量等の削減につながり、生産性向上による経費削減が期待できる。
取引上の優位性:印刷基準が顧客等との取引や入札条件などになった場合、有利な取引が可能に
なお、セミナーの詳細や、申し込み(4月11日~5月20日)は下記で募集している。
https://japancolor.jp/info/002069.html