■リニューアルの背景について
環境変化や消費行動が大きく変わりゆくなか、今、リアルな場所に求められるのは「わざわざ訪れる」「特別感」といった要素である。「本屋」は、多種多様なジャンルを取り扱っている場所であり、必要に応じて深い領域まで網羅されているのが「本」だ。
そして、本を手に取って拡がる景色は、あたかも何処か別の世界へ誘ってくれるかのような、不思議な体験をもたらす。そういった意味でも“奥行き”があるのが本屋であり、それを表現するために、「文喫 福岡天神」は、本の価値を広げるような「体験型本屋」への進化を加速させていく。
■リニューアルのポイントとは
企画展の常設開催
本の価値を拡げて、本との出会いを楽しんでいただける企画展を開催する。また「文喫 福岡天神」のオリジナル企画や、「文喫 六本木」との共同企画(巡回展)を予定しており、本と出会う“きっかけ”を作る場所となる。
空間デザインの変更
これまで以上に「本」を引き立てるための什器や内装設計を採用。シンプルながらリズム感のある空間は、主役である本と混じり合うことで、より見る人の好奇心をくすぐる。
■記念企画展「本の百貨展」
記念すべき第1回企画展は、岩田屋本店内に店舗を構えていることにちなみ、その名も「本の百貨展」。「多様な人それぞれにときめきをもたらす」百貨店と本屋の相似性を表現する企画展として、想いが伝わる贈り物となる本と雑貨の取り合わせを提案する。
また、岩田屋本店各階で取り扱う商品に関連する書籍や、商品から発想を膨らませて選んだ書籍を販売することで、様々な人の欲しいものが見つかる「百貨店のような本屋」を表現。
さらに、どこか懐かしいレトロなフードメニューの提供や、様々な世代が楽しめるイベントやワークショップも同時期に開催予定だ。さらに、本企画展では、イラストレーター・福田利之氏に「懐かしいし、 新しい。いつまでもだいすきな百貨店」をテーマに、ビジュアルデザインを担当する。
■リニューアル記念開催イベント
後藤ガリ版印刷所による、昔懐かしいガリ版印刷でレトロ雑貨を作るワークショップを開催する。現役イラストレーターがイラスト・デザインのコツも教えてくれる。
ワークショップの詳細:https://bunkitsu-gariban1009.peatix.com/
なお、ワークショップに参加する後藤ガリ版印刷所は、福岡県久留米市を拠点とする手刷り印刷屋だ。イラスト・デザイン・印刷物の受注制作や手刷り印刷ワークショップの開催などをおこなっている。
ガリ版はかすかに震えるような味のある線、版画のようなマチエールの面が特徴。また、繊細で細やかな印刷を得意とし、紙や木・布などさまざまな素材への印刷が可能だ。