ラクスル株式会社(以下、ラクスル)は、セイノーホールディングス株式会社(以下、セイノーHD」)と共同で、ジョイントベンチャー「ハコベル株式会社」を設立し、8月8日より事業開始したと発表した。
■ジョイントベンチャー設立の背景と目指すこと
・運送会社・ドライバー側への物流関連商材(燃料・物流資材)を中心とした調達支援
・荷主とドライバーを直接マッチングさせることで、高品質かつ低価格な配送の仕組みを提供
ラクスルグループは「仕組みが変われば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、デジタル化が進んでいない伝統的な業界にインターネットを持ち込み、産業構造を変えることで、より良い世界にすることを目指してきた。物流業界には、労働環境や低賃金によるトラックドライバーの不足、多重下請け構造の常態化、カーボンニュートラルへの強い要請や上がり続ける物流コストなどに代表される社会課題が山積している。
これらの問題を解決するべく物流プラットフォーム「ハコベル」を2015年に立ち上げ、ラストワンマイルから都市間の幹線輸送までを支えるマッチング事業「ハコベルカーゴ」と荷主企業に対して配送計画最適化・管理業務を行うためのソフトウエア「ハコベルコネクト」を提供するSaaS事業を展開してきた。
事業運営をしていく中で、さらなる社会課題の解決に邁進するためには単独で事業を展開するのではなく、パートナーシップが必要だと考え、様々な協議を経て、全国に展開する輸送網を基盤に「商業物流No.1」として顧客荷主数12万件超、発着合わせたお取引先数80万件超などの強い実績があり、「物流を知り尽くした」セイノーHDとジョイントベンチャーを設立するに至った。
このパートナーシップを通じて、複数サービスの相互乗り入れを可能とし、物流業界の基盤となる「オープンパブリックプラットフォーム(O.P.P.)」の実現を目指す。すでに、セイノーグループへの先行導入を開始しており、各営業拠点から「貸切車両の見つけやすさ」「システムとしての使いやすさ」などの高評価を得ている。このパイロット運用で得たフィードバックをもとに、さらなるプロダクト改善やシステム改良を重ね、多くの運送会社に使ってもらえるよう推進していく。また、ジョイントベンチャー化を契機にセイノーグループが持つ調達力を活用して、今まで実現が難しかった運送会社・ドライバー側への物流関連商材(燃料・物流資材)を中心とした調達支援を強化する。
物流部門に強みを持つ総合商社、株式会社セイノー商事との連携を燃料・物流資材の購入補助を皮切りに、この8月からはじめており、今後さらにセイノーグループの各種調達力を活かし、車両購買やリース支援など多岐に広げていく。これにより、ハコベルに登録する多くの運送会社・ドライバー、そして、このプラットフォームに賛同できる運送業界各社との共存共栄と利便性、働きやすさを追求する。
■ハコベル株式会社 代表取締役社長CEO 狭間健志氏 コメント
私たちはハコベル事業を立ち上げて以来、多重下請け構造を解決するために顧客/荷主と運送会社/ドライバーを直接結ぶマッチングプラットフォームの提供と、荷主・運送会社それぞれの社内業務をデジタル化し、生産性を改善するためのソフトウエア(ハコベルコネクト)の提供を進めてまいりました。今回、本取り組みをより加速するために、セイノーHDとのジョイントベンチャーを設立することにいたしました。新会社設立によって、セイノーグループの保有する全国の顧客・運送会社ネットワークとハコベルのもつテクノロジー・オペレーションの力を掛け合わせることによって更なる事業成長を実現するとともに、業界全体を巻き込みながら、あらゆるステークホルダーに対し開かれた「オープンパブリックプラットフォーム」への進化を目指します。
なお、今回紹介したハコベルだが、物流のプラットフォーム「ハコベル」は、個人や企業への配送を行うラストワンマイルから、都市間の輸送などを行う幹線輸送まで全国の物流を支えるサービスを展開していく。軽貨物を対象とした「ハコベルカーゴ」では、ドライバーの非稼動時間を有効活用し、荷主とドライバーを直接マッチングさせることで、高品質かつ低価格な配送の仕組みを提供する。サービス利用後には利用者がドライバーを評価する仕組みを設け、サービス品質向上を実現していく。一般貨物を対象とした「ハコベルコネクト」は荷主と全国の運送会社を繋ぎ、WEBアプリケーション上で自社の車両、協力会社の車両を管理し、配車、請求管理を行う機能と、ハコベル配車センターへの配車依頼を行う機能を備えてる。物流コストを削減させ、DXを推進する企業の支援に取り組んでいくとした。
会社HP:https://www.hacobell.com/
サービスサイト:https://www.hacobell.com/solution