【補助金】補助金の申請は済みましたか?利用できる補助金はまだあるかもしれない

株式会社レボ(以下、レボ)は10月12日、「中小企業の補助金申請・利用状況」に関する実態調査を実施したと発表した。調査対象は、設立5年以上の中小企業(従業員数300人以下)の経営者にアンケートを実施し、何かしらの補助金を申請・利用した経験のある経営者1,008人だ。
参考:経済産業省の支援策 https://www.meti.go.jp/covid-19/

■補助金の申請や利用したことがある経営者の割合

「ご自身が経営する企業では、何らかの補助金の申請や利用をしましたか?」との質問に、『利用した(している)(59.5%)』『申請中(5.0%)』『申請したが不採択(2.4%)』『申請や利用をしたことはない(33.1%)』という回答結果になった。

続けて、前の質問で『利用した(している)』『申請中』と回答した人に、「補助金の利用(申請)した理由として近いものを教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『収入減(70.9%)』と回答した人が最も多く、次いで『感染予防対策(31.1%9』『事業の再生(引継ぎも含む)(10.3%)』『原材料や電気代の値上げ(9.8%)』『人手不足解消(8.8%)』『機器の老朽化(8.5%)』『インフラ整備(8.5%)』『企業のDX化(6.7%)』と続いた。

補助金というと、インフラ整備などの支援を行う制度というイメージがあるかもしれないが、実際には、収入が減ったことや新型コロナ感染予防対策として、あるいは、経営者の事業再生(引継ぎなど)といった理由で補助金を申請・利用した方が多いことが分かった。

■補助金の目的とどの補助金を利用したのか

補助金の種類は、数百から数千あるといわれるほど、実にさまざまだ。経営者はどのような目的でどのような補助金を申請・利用したのか。

そこで、「どのような補助金を利用(申請)しましたか?(複数回答可)」と質問し、『経済産業省の補助金(ものづくり補助金、IT導入補助金などコロナ関連以外も含む)(63.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『自治体独自の補助金(創業支援補助金など)(34.9%)』『その他の補助金(大手企業、政府系金融機関、各種の財団など)(22.7%)』と続いた。

さまざまな補助金がある中でも比較的多いのは経済産業省による補助金制度のようだ。

■補助金の申請はスムーズにできたか

補助金制度は多く存在することが分かったが、どのような内容の補助金なのか調べるのに時間がかかったり、申請に手間がかかったりする場合も珍しくない。

そこで、「どのような手順(方法)で申請しましたか?」と質問し、『全て自分一人で申請した(37.5%)』と回答した人が最も多く、次いで『税理士など申請代行業者に依頼した(32.7%)』『友人知人などを頼り、分からない部分は教えてもらいながら申請した(13.7%)』『役所などの相談窓口で教えてもらって申請した(11.8%)』と続いた。

自身で申請した人、または税理士などの補助金の申請を代行している業者に依頼した人が多いようだ。しかし、全て一人でという方はスムーズに申請することができたのか。

続いて、「補助金を利用(申請)した際、戸惑ったことや困ったこと、分からなかったことがあったら教えてください(複数選択可)」と質問し、『申請の手順(方法)について(49.0%)』と回答した人が最も多く、次いで『補助金の採択基準について(32.0%)』『補助金の種類について(28.1%)』『申請先について(19.9%)』『相談先について(11.6%)』と続いた。

補助金制度を利用するためには、交付を申請しなくてはならない。また、まず交付要綱を熟読し、どのような補助金制度なのか内容を理解する必要がある。そのうえで、補助金を受給するまでの手続きを適正に行う。全て自身で申請したという人も少なくないが、半数近くの人が「申請の手順(方法)」について戸惑われた。

■今後も補助金を利用(申請)したいか

補助金制度は今に始まったことではなく、古くからさまざまな事業を支援する補助金制度がある。しかし、補助金を申請・利用した人の多くは、収入源や感染予防対策が理由だったことがここまでの調査で明らかになった。いつ頃から補助金を利用している人が多いのでしょうか。

そこで、「いつ頃から補助金を利用(申請)していますか?」と質問し、『ここ1年~2年前(コロナ禍になってから)(68.2%)』『~3年前(13.4%)』『~4年前(3.8%)』『~5年以上前(14.6%)』という回答結果になった。

コロナ禍になってから初めて利用したという人が多いが、補助金を利用してみてどのように感じたのか。例えば、今後も引き続き補助金を利用していきたいと思うののか調査した。

続いて、「今後も補助金を利用(申請)したいと思いますか?」と質問し、『とてもそう思う(53.5%)』『ある程度そう思う(35.3%)』『あまりそうは思わない(8.7%)』『全くそうは思わない(2.5%)』という回答結果になった。

実に9割近くが、今後も補助金を利用したいと思っている(とてもそう思う、ある程度そう思う)ようだ。補助金は融資と違って原則的に返済不要で、うまく活用できればこれほど魅力的な資金調達方法はないだろう。では、そんな補助金制度を余すところなく活用できているのか。

そこで、「現在、利用(申請)している以外の補助金で、申請すれば採択される補助金はあると思いますか?」と質問し、『探せばいくらかあると思う(48.4%)』と回答した人が最も多く、次いで『分からない(15.9%)』『たくさんあると思う(14.7%)』『探してもほとんどないと思う(14.5%)』『1つもないと思う(6.5%)』と続いた。

補助金を利用中の方も、まだ探せば他にあると思っている方が5割近くと多いことが分かった。その一方で「分からない」と回答した方も比較的多いようだ。
もしかすると、「知らなくて申請していない経営者」もいるのではないだろうか。

最後に、「補助金申請の専門家である“中小企業診断士”をご存じですか?」と質問したところ、『はい(52.0%)』『いいえ(48.0%)』という回答結果になった。

「補助金を利用しているけれど、もっと他にも申請できそうな制度があるかもしれない」「そもそもあるかどうかも分からない」といった経営者の人は、補助金申請の専門家を頼ってみるのもいいのではないか。

補助金制度は、インフラ整備などの設備投資以外にも、収入減や感染予防対策としての資金調達方法にもなる。原則的に返済不要なので、上手に活用しない手はないだろう。

「知らなくて補助金を申請していない」のでは、あまりにも勿体無いといえる。一度、調べてみてはいかがだろうか。

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