TOKYO PACK 2022:https://www.tokyo-pack.jp/
■サービスの背景
ヨシモト印刷社は、ウィンド・ミューラー&ヘルシャー社(ドイツ)の最新印刷機 NOVOFLEXを導入し、部分的にシーラント剤を印刷技術で塗工することを可能にした。
また、同機の活用により、外装の水性フレキソ印刷と同時に、内側のシーラント剤の塗工も行う。現在、シーラント剤の塗工は製紙メーカーやコンバーターが別々に行っているのが一般的だが、ヨシモト印刷社は顧客からの要望を社内で一気通貫に応えることが可能となり、コンバーター業務の強化にもつながると考えている。
さらに、水性シーラント剤は、国内外で実績のある三井化学のケミパールを使用している。紙包装のシールには、ポリエチレン等のプラスチックを全面にラミネートして使用している包装が依然多く、こうした素材はリサイクルには適していない。
ケミパールは、ポリオレフィンを三井化学独自の技術で水に分散した製品で、紙に塗布することで薄膜で良好なヒートシール性を付与し、紙のリサイクルに貢献。包装基材には、独特の色味・風合いを有する日本製紙のBP加工原紙60g/㎡を使用している。
包装は、欧米で多くの紙包装の実績を持つドイツの包装機メーカーであるシンテゴンテクノロジーが担当した。同社は、2025年までにリサイクルできる資材による包装を可能にするという目標を掲げており、すでにほとんどの包装機で実現をしている。TOKYO PACK 2022では、紙包装としては珍しい、縦ピロー包装機によるスタンディング・パウチを出展予定だ
このようにリサイクルが可能な紙包装では、紙、シーラント剤、包装形態さらには包装機械の 最適な組み合わせが求められることから、従来の分業型開発プロセスでは困難であり、企業間のフラットな協業が求められる。このソリューションは、紙包装分野で著名な有田技術士事務所 有田俊雄氏の呼びかけで、4社が協力する形で実現した。
なお、今回紹介したシンテゴンテクノロジーは、シンテゴンテクノロジー株式会社(日本) は、 1982年に設立。日本の医薬品・食品市場向けに自社製の国産機や輸入機の販売をはじめ、包装資材、バリデーション、総合的なサービス等の要望に応じて幅広く提供。また、2022年、日本法人は設立40年をむかえる。