今後、2者が持つテクノロジーやナレッジ等を結集させ、成長が期待される産業メタバースの促進、双方の強みを生かしたメタバース相互連携基盤の開発を進め、また、国内外のスマートシティ関連事業におけるメタバース技術の活用を目指す。
■メタバース相互連携基盤の開発を目指す
近年インターネットは、消費者のデータベースや便利なツールという存在から、「体験の世界」に変わりつつある。特に、企業や行政機関においては、デジタル空間をDXツールとして活用する需要が急速に高まってきた。
このような需要に対応するため、凸版印刷が有する高精細・高精度なVRテクノロジーや企業向けメタバーステクノロジーと、JP UNIVERSEが有するゲームとメタバースの融合テクノロジーやUX構築ノウハウとを掛け合わせ、企業や行政機関に対して高品質なデジタル空間基盤を提供し、産業メタバースの構築を促進するため、資本業務提携を行った。
また、2者が個別に開発するメタバースを接続し、相互往来できる「メタバース相互連携基盤」を開発するため、2者の技術や人材の交流を進める。これにより、少子高齢化やポストコロナへの対応を始めとする様々な社会課題に対して、解決に資する様々な実証実験を産業メタバース上で実施。
その結果を現実空間での企業や行政機関の開発にフィードバックしていくことで、ふれあい豊かでサステナブルなくらしの実現に貢献していく。
■凸版印刷とJP UNIVERSEの提携内容とは
凸版印刷が提供する、高精細・低遅延なリアルタイムレンダリング機能を持つビジネス向けメタバースサービス基盤「MiraVerseⓇ(ミラバース)」と、JP UNIVERSEが提供するファンタジーな世界観とゲームの要素を持つメタバース・プラットフォーム「RYUGUKOKU™(リュウグウコク)」の相互運用実現を目指す。
また、新しい社会インフラとして国内企業の情報発信、マーケティング、働き方改革を始めとする産業界のDXを支援していく。
2.「MiraVerseⓇ」事業におけるゲーミフィケーション要素の組み込み
凸版印刷が提供する「MiraVerseⓇ」に対し、JP UNIVERSEが提供するUXに優れたメタバース空間構築ツール「PEGASUS WORLD KITⓇ」を提供することで、「MiraVerseⓇ」へのゲーミフィケーション要素の組み込み検討を進めていく。
これにより、観光、文化体験、ショールーム等の領域に留まらず、ファッションやイベント、美容健康やスポーツなど、エンターテイメント領域にも「MiraVerseⓇ」の事業領域を拡張させ、成長が期待される産業メタバースにいち早く取り組むことで、市場の健全な成長に貢献する。
■産業メタバースとバーチャルスマートシティの構築へ
凸版印刷とJP UNIVERSEは、産業メタバースにとどまらず、2者が持つメタバース技術を活用して、高精度なメタバース上にバーチャルスマートシティの構築を目指す。
また、バーチャルスマートシティと現実空間がシームレスに連携することによって、メタバース上で行う様々な実証を現実空間にフィードバックしていき、住民へのサービス向上、街を訪れる人々への新たな魅力づくり、行政業務の効率化など利便性の高いサービスと、デジタル空間内で自己実現・自己表現に挑戦できる体験価値を提供していく。
なお、今回紹介したJP UNIVERSEは、「ファイナルファンタジーXV」のディレクターを務めた田畑 端氏が立ち上げたメタバース・スタジオ。
同社は、2023年2月27日付けで凸版印刷が基本合意書を締結したTBT Lab株式会社の傘下にあり、「ジャパン・メタバース経済圏」の創出に向けて、メタバース・プラットフォーム「RYUGUKOKU™」の構築・運営をしている。