【世界初】トヨタ車サイドウィンドウ向けに採用 凸版印刷の液晶調光フィルム

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新型「センチュリー」
(トヨタ自動車株式会社から発売される)
凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は9月8日、AGC株式会社(以下、AGC)のガラスと、凸版印刷の「LC MAGIC」を組み合わせた世界初の調光サイドウィンドウガラスが、2023年9月6日発表のトヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)の「センチュリー」に採用されたと発表。
※スイッチ一つで透明と不透明を瞬時に切り替えられる液晶調光フィルム「LC MAGIC™(エルシーマジック)」。

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近年、自動車は移動手段だけではなく、その車内空間価値向上のニーズが高まっている。このニーズに対応するため凸版印刷は、自動車のサイドウィンドウ用途での調光フィルムを開発した。

車載用途では、気温や天候、またドアや窓の開閉など取り扱いの面において、従来の建材用途よりも厳しい環境に対応できる耐久性が要求される。また、サイドウィンドウの特徴である開口部の広さを生かすため、調光フィルム内の液晶の保護に必要な外周封止の幅を極力薄くするという課題があった。

これらの課題を解決するために、液晶や電極の見直しを行い、外周封止の技術(厚み・幅・塗布自動化など封止材塗布条件の最適化)を改良、今回自動車のサイドウィンドウに適合する性能の調光フィルムを開発。

さらに、ノンストレスで瞬時にON/OFFの切り替えができることで、車内居住空間の快適性向上を可能にした。

■調光サイドウィンドウガラス向け「LC MAGIC™」の特徴

独自の封止技術で封止幅や厚みを最小限に

凸版印刷の滋賀工場で保有する自動封止設備で、素早く、封止幅や厚みを最小限に抑えることを可能に。外周封止で端部の保護を行うことで、ガラスの中間膜成分や外部の水分による液晶の透明化といったダメージを防ぐことができる。

また、自動車用途に耐えられる高い信頼性を確保し、サイドウィンドウの広い開口部を維持できる封止技術を確立した。

ヘイズ(濁度)透明時 3%、不透明時 99%を実現

高い透明性と遮蔽性を両立した光学特性と、厳しい使用環境に耐えうる信頼性により、自動車メーカーが要求する高い品質基準をクリアし、世界で初めて自動車サイドウィンドウに搭載できる調光フィルムの供給が可能に。

なお、凸版印刷は、この製品をはじめ、今後2022年12月に発表した「LC MAGIC™」の車載向け黒色グレード「ノーマルブラック」の改良や量産化技術を進め、各種自動車への搭載を目指す。2025年度までに液晶調光フィルム事業全体で約30億円の売り上げを目標としている。

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