印刷業のDXに成功 スミタ、「印刷業名人」の導入でタイムリーな進捗管理を実現

「受注から出荷まで」の業務プロセスのデジタライゼーションを支援するユーザックシステム株式会社(以下、ユーザーテック)は5月16日、耐久性の高い製版で顧客のSDGsに貢献している株式会社スミタ(以下、スミタ)が、「印刷業名人」を導入して複雑な工程をデジタル化し「見える化」することに成功した事例を公開したと発表した。

これにより制作・製造部門では工程間連携による効率化と生産性向上、営業部門では現場の進捗状況を踏まえた納期の受注が可能に。紙器パッケージ以外の印刷業に「印刷業名人」を導入した初めての事例だ。

■業務管理システム「印刷業名人」とは

printingmaster

印刷業名人

化粧箱・什器の生産管理では、部材管理のシステム化が難しく、手書きなどで対応することが多く、作業時間や進捗のタイムラグが問題視されていた。このような課題を解決するために開発された「印刷業名人」。

印刷業名人は部材毎の作業指図書や在庫管理が可能で、仕掛品、木型、後加工にも対応。また、後加工に多い外注手配にも対応しており、生産管理部門の計画作成や外注管理を支援している。

システム図(印刷業名人)

システム図(印刷業名人)

■「印刷業名人」導入の決め手は

スミタは、株式会社角田製版所として設立以来、あらゆる業種の版の製造に「オールマイティー」で対応している。また、印刷のサポートをするプリント・サポート処理(PS処理/特許取得済み)の技術により版の耐久性を上げるなどの後処理加工も得意。

しかし、オールマイティーで他社との差別化が出来る一方、ジョブの工程数や種類は多岐にわたり、進捗管理を3箇所ノートへ「手書き」で書き写していた。更に15年前からは大判の手書き工程管理表をフロアに掲載し管理していたが、「手書き」の作業時間、進捗の「タイムラグ」が問題化。そこで、工程管理のデジタル化するために、2020年6月にアビッド・フレックス株式会社を通して業務管理システム「印刷業名人」を導入した。

導入成功の決め手は、アナログのビジュアル「そのまま」再現したことだ。これによりそれぞれのジョブの進捗状況を一目瞭然で「見える化」するだけでなく、現場で働く人のアナログからデジタル化への意識が変わった。

アナログ時代と同サイズのモニターを設置

アナログ時代と同サイズのモニターを設置

スミタ 営業部 部長 小田 真一氏 コメント

「印刷業名人」の導入により進捗状況をリアルタイムで把握できるだけでなくどの工程が滞っているのかも分かり、手隙の部署から応援に行くなど最適な人員の配置にも役立っています。

作業時間の実績が記録に残せるようになったので、評価が難しいとされる現場仕事においても「評価システム」として活用出来ないかと考えています。

「印刷業名人」の基本作業にも慣れてきたため、第2フェーズの目標としてこれらの機能の活用にも取り組んでいきたいと思います。

なお、今回紹介したスミタは1947年創業し、主力の製版では、あらゆる業種の版の製造にオールマイティーで対応することで他社との差別化を行っている。

また、印刷に関することならデザイン制作から製版、印刷、材料・設備の紹介、販売、テクニカルレクチャーまで手掛け、さらに、版の耐久性を上げることで顧客のSDGsにも貢献している。

株式会社スミタ

株式会社スミタ
(大阪市天王寺区の本社)

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